【ネット通販】欠品・返品名目の二重詐欺に注意

2024年3月26日

インターネット上の通販サイト(ECサイト)で商品を購入するため代金を振り込んだにも関わらず、商品が届かないばかりか、返金・返品手続きと称する業者の指示に従った結果、さらにお金を送金させられ、二重にお金をだまし取られる被害が続いています。

これは昨年秋ごろより目立ち始めた比較的新しい手口で、無料通話アプリや電子決済サービスを介して巧みに送金させており、被害額が高額になるケースもあるため、注意が必要です。


【二重詐欺の手口】
これまでのネットショッピング詐欺では巧妙に作られた偽サイトを経由して代金を支払ったものの、商品が届かなかったり、入力したクレジットカード情報が悪用されるケースが一般的でした。

しかし、二重詐欺では犯人からメールなどで連絡が入り、「商品が欠品してしまった」、「輸送中に商品が破損してしまった」などの理由で商品が届けられないと説明し、すぐに「お金は返金させていただきます」と返金処理へ誘導します。

その際、LINEなどのSNSで返金専用アカウントへ連絡するよう指示され、LINE Payやメルペイ といったキャッシュレス決済アプリ上で返金する、と伝えられます。


この決済アプリを指示に従って操作すると、返金されるどころか逆に送金手続きをしてしまい、結果として二重に代金をだまし取られてしまいます。

【被害が高額になるケースも】
犯人が返金手続きで指定する決済アプリはLINE PayやPayPay、楽天Payなど送金可能なサービスである点が特徴で、これらのサービスは銀行を介さずスピーディーに送金できることから、個人間送金の手段として人気がある反面、犯罪にも利用されやすいため注意が必要です。

とくに二重詐欺においては、銀行口座やクレジットカードから簡単にチャージできるため、送金限度額以内であれば何回でも送金させられる恐れがあります。

実際に、犯人の指示通りに送金した直後、犯人から「エラーが出て入金されませんね。もう一度同じ操作をしてもらえますか」、「また失敗しました。もう1回お願いします」などと続けて何回も操作させられ、結果的に数十万円もの大金を送金させらる被害も発生しています。

このようにエラーが出たのでやり直せ、と何度も何度も操作を繰り返させる手法は特殊詐欺の常套手段となっており、ATMを使った振り込め詐欺でも頻繁に使われています。

【詐欺サイトの特徴】
二重詐欺のスキームはある種、還付金詐欺と似たメカニズムを持っており、指示に従えば《お金が戻ってくる》と思い込まされる点が共通しています。

エラーが出たのでやり直して、などと言われ変だなと思っても、《お金はどうあっても返してもらわなければ》という心理が働き、何度でも繰り返し操作してしまうのです。

よく考えれば、振り込んだ代金をキャッシュレス決済で返すというのもおかしな話で、本来であればこちらの口座へ振り込んで返金するのが筋と言うものです。

しかし、そう思っても後の祭りで、最初に振り込んだ代金が戻ってくることも難しいでしょう。

そのため、そもそも詐欺サイトで代金を支払ってしまわないよう、詐欺サイトの特徴を知った上で利用する事が大切です。

詐欺サイトの特徴の一つに、他の大手ショッピングサイトに比べ、値段がかなり安くなっている点があります。

価格.comなどの価格比較サイトに掲載されている最安値を大きく下回る価格であったり、Amazonなど大手ショッピングサイトの販売価格よりも大幅に値引きされている、といった場合は詐欺の可能性が高く、とくに全商品が一律50%以上の値引きがされているようなサイトは要注意です。

また、掲載されている住所や代表者名はデタラメな事も多く、電話番号が掲載されていないのも詐欺サイトの特徴です。

少なくともインターネット通販においては、商品に不具合があった場合や注文トラブル等の際、すみやかに対応できる環境が構築されていなければ安心できませんので、カスタマーサポートなどの電話番号が掲載されているか、またその電話がすぐにつながるか、事前に確認しておく必要があります。

〈注意ポイント〉
〇 大手ECサイトの掲載価格よりも安い、商品が一律〇〇%OFFと表示されている

〇 住所や電話番号が掲載されていない。(掲載されていてもデタラメな場合が多い)

〇 支払方法が口座振込だけ。振込先が個人名義。

〇 サイト名を検索すると、詐欺などの情報が出てくる。

相場に比べて破格の安さで販売されている商品の場合、購入手続きに入る前に、そのサイトの所在地や電話番号を確認して自分で確かめてみたり、インターネット上に詐欺サイトとしての情報がないか探るなど、十分に注意する必要があります。








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