【注意】コロナ感染を口実に「カードをポストへ」

2023年12月31日

「クレジットカードが勝手に使われている」などとウソの電話をかけ、「悪用を防ぐためキャッシュカードも新しくする必要がある」と説明した上で、新型コロナ感染予防を口実にカードを自宅のポストへ入れておくよう指示してカードをだまし取り、事前に聞き出した暗証番号でお金を引き出す特殊詐欺の被害が続いています。

28日には広島県警が以下の事案について注意喚起しています。

〔被害事例〕
広島市佐伯区内において、警察官や全国銀行協会職員、医療機関職員を名乗る者から、

「病院であなた名義のクレジットカードで支払いをしようとする人がいる」
「あなた名義で不正にクレジットカードが作られている 」
「キャッシュカードを新しくしなければならないので、キャッシュカードと暗証番号が必要」
「職員がキャッシュカードを受け取りに行く」
「コロナの感染予防の観点から、キャッシュカードを直接会って受け取ることができないので、
 キャッシュカードを封筒に入れて自宅のポストに入れておいてほしい」

などの電話があり、この話を信じた被害者が暗証番号を伝えた上で、ポストに入れたキャッシュカードをだまし取られる被害が発生。

【ポストにカードを入れろは詐欺】
感染予防を口実にキャッシュカードを自宅ポストへ入れるよう指示する手口は2021年頃から確認されていますが、詐欺グループの受け子が被害者と対面しないで済むため、現在もこうした《非接触型》の手口が横行しています。

警察官や銀行協会の職員がキャッシュカードを自宅のポストへ入れておくよう指示することは絶対にありません。

また、警察官や銀行員がキャッシュカードの暗証番号を尋ねる事も絶対にありませんので、暗証番号を聞かれたり、紙に書くように言われた場合はすぐに電話を切り、警察に通報してください。

とくに暗証番号については、「本人確認のためキャッシュカードの番号と暗証番号を言ってください」と自然な流れで聞き出そうとしたり、「0を4つと、カードの暗証番号を逆さから読んだ数字をつなげた番号が新しいカードの受取り番号になります」などとウソを言って暗証番号を聞き出すなど、犯人の話術は非常に巧みです。

こうした手口に引っ掛からないよう十分、注意してください。

【カードが悪用は常套手段】
一連の詐欺電話では、警察や家電量販店、大手百貨店、大型商業施設の従業員を名乗るケースがほとんどで、「あなた名義のカードを使って大量に買い物している人がいる」などとクレジットカードが悪用されていると思い込ませるのが第一の目的となっています。

その後、銀行協会や警察の職員をかたる別の電話で、「キャッシュカードも安全のため利用停止するので、新しいカードと交換する手続きを取ります」などとキャッシュカード交換の話へ持ち込んで、だまし取ろうとします。

この他にも警察官を装って、

「犯人が(あなたの)通帳を持っていて、400万円の入金が確認された。捜査する必要がある」

「この地区で、詐欺に遭っている人が10人くらいいる。口座から現金が不正に下ろされない
 ようにするため、キャッシュカードを使えなくするので財務局の者を向かわせます。」

など詐欺犯は多種多様なトークを準備して電話をかけてきますが、いずれも私たちを軽いパニックに陥れ、冷静さを失わせようとするのが目的ですので、慌てずに対応し、キャッシュカードの話が出た時点で警察へ通報するようにして下さい。


【お店や警察から不正利用の連絡は来ない】
そもそもデパートや家電量販店から「あなたのカードで誰かが買い物した」とか、警察官から「あなたのカードが不正利用されている」といった電話がかかることはありません。

不正利用を把握できるのはカードを発行しているクレジットカード会社だけで、カード会社は普段からカード利用状況のモニタリングを行い、利用状況の監視を行っています。

普段、あまりカードを利用されない方が海外で高級バッグを購入するとか、今まで日用品購入の支払いが多かった方が電子ギフト券を大量に購入するなど、不審な点があった場合に、カード会社は利用者本人へ直接電話(登録電話番号宛)で利用内容を確認することがあります。
※この場合でも、クレジットカード会社の担当者が、カード番号以外にセキュリティコードや有効期限を尋ねることはありません。

万が一、利用者の与り知らぬ利用が確認されれば、ただちにカードは利用停止となり、新たなカード発行手続きが行われます。

また、調査の結果、利用者に重大な過失がない場合(カード情報が外部から漏洩した等)、不正利用された被害額を請求されることは通常ありませんし、カード再発行手数料を請求される事もありません。

しかしながら、ネットショッピングや各種ネット決済の経験がある方の場合、ショップ側の情報漏れにより、クレジットカード情報が漏洩して不正利用の被害に遭う事もあるため、念のため毎月の利用料金や利用状況のチェックを怠ってはいけません。

【騙されないために】
クレジットカードが不正利用されている等の電話があった場合、以下の点を確認すれば詐欺被害のリスクを減らすことができます。

①どのカードか?
 ※クレジットカードの名称(三井住友;VISA、JCB、オリコ、楽天、など)

②カード番号は?
 ※14桁から16桁の番号が附番されています(以下は国際ブランドの代表例)
  

  【VISA, JCB, Mastercard】〇〇〇〇‐〇〇〇〇‐〇〇〇〇‐〇〇〇〇

  【American Express】〇〇〇〇‐〇〇〇〇〇〇‐〇〇〇〇〇

  【DinersClub】〇〇〇〇‐〇〇〇〇〇〇‐〇〇〇〇


①、②を尋ねて、自分が持っているカードなのか確認するとともに、すみやかにカード会社のお問い合わせ窓口へ連絡し、カードの不正利用の事実を確認してください。
※ただし、そもそも警察や百貨店などの店舗から不正利用の電話が来ることはないので信用してはいけません。

例えば三井住友カードの場合、ご利用の覚えがない請求に関する窓口として「FORYOUデスク;0570-001-457」がありますので、お手持ちのカード会社の連絡先を事前に控えておくと良いでしょう。

ただし、上記「FORYOUデスク」の場合、受付時間が10:00~17:00(12/30~1/3休)となっており、この時間以外には緊急対応として紛失・盗難受付デスク(24時間・365日対応)へ連絡して対応をお願いする必要があります。

詐欺の電話であった場合、①や②について詐欺犯が答えられないケースもあるでしょうし、万が一、個人情報(カード番号と名前)が漏れていて①や②を言われたとしても、必ずカード会社に確認してください。

とくに、「セキュリティコード」や「カード有効期限」については相手が誰であっても、けして伝えてはいけません。

クレジットカード番号に加え、セキュリティコードや有効期限が知られてしまうと、ネットショッピング等で第三者が勝手にカードを利用して買い物されてしまいます。


普段からクレジットカードに関する緊急連絡先を控えておき、こうした電話があったらすぐに確認する必要があります。

〔控えておきたいカード会社の連絡先〕


● 利用の覚えがない請求に関する窓口

● 紛失・盗難時の緊急連絡先


これらの番号はスマートフォンなど携帯端末にメモしておくなど、いつでも確認できるれば安心です。


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