【LINE投資グループ】詐欺の手口と対処法

2023年1月10日

突然、投資交流を装ったLINEのグループに招待され、投資関連のトークが延々と続いた後に、より詳細かつ具体的な投資情報が得られるとして、別のトークルームやオープンチャットへ誘導されるケースが頻発しています。

これは投資詐欺を目的としたフィッシングの1つで、滋賀県では昨年1月、50代男性が950万円をだまし取られる被害も発生しました。

昨年8月以降、詐欺防止ネットワークが確認した13件のLINE投資交流グループすべてにおいて、投資指導を行う人物やアシスタントの経歴および写真等に虚偽の内容が認められたほか、複数のグループにおいて同一のデータやトークが使い回されている事が判明しています。


                — LINE投資詐欺グループの一例 —


これらのグループでは「先生」や「師匠」と呼ばれる投資のプロが指導役として登場し、アシスタントもしくは秘書と称する進行役が「先生」の経歴紹介やトークを仕切っています。

さらに「初めて参加しましたが、これは投資を勉強するグループですか?」などと初心者を装って会話を広げたり、「先生のスピーチを講演で聞けて幸せでした。尊敬できる先生です。」などと先生を持ち上げる役割のサクラも登場します。

   〔LINE投資グループトークのイメージ〕

    — 先生を中心に複数名のサクラでトークが構成される —


これらのサクラは投資関連の話題の他に、プライベートな話題も織り交ぜながらトークをどんどん進め、いかにも多くの人が参加しているように見せており、その点では劇場型詐欺の要素が認められます。



【LINE投資グループ詐欺の手口】
LINE投資グループ詐欺では《F04 資産運用情報交換グループ》や《金融投資グループA26》、《ゴールデン村A116》、《副業@FX株式49》、《投資研究交流会K57》、《『学ぶ』に勝る投資なし555》、《お金を増やす投資A-24》、《株式投資勉強会G》、《副業情報交換所K-40》…など数多くのグループが次々に確認されています。

各グループは一定期間後に解散するため、より具体的な投資方法や「先生」が推す銘柄といった相場情報をもっと知りたい場合、別途「先生」の専用ルーム(チャット)で説明するという流れになっており、興味を持った被害者はQRコードなどから誘導されてしまいます。

この「先生」による個別指導の中で、被害者は投資運用アプリの取得や口座開設と元金の送金を指示されますが、すぐに10%程度の利益が出て完全に信用し、投資額を膨らませてしまいます。

しかし利益として受け取った配当金は被害者が出資した資金から出ているだけで、出資金が一定額に達した段階で「先生」は出資金を預かったまま消えてしまいます。

こうした手口はポンジスキームと呼ばれる投資詐欺の典型手法で、最初は無理をしないよう少額出資を持ち掛け、少額ながら高配当の利益を与えることで相手を信用させ、最後はあなただけ特別に超高配当の投資案件がある、などと数百万から数千万円を出資させてだまし取ります。


【投資初心者がターゲット】
株や投資信託などに興味のある投資初心者は、LINE投資グループ詐欺の被害に遭いやすいといえます。

投資にまったく興味のない人であれば、LINEの投資グループに招待されてもすぐに退会してしまうでしょう。

反対に、ちょうど投資に興味があって勉強もしてみたい、などと考えていた場合にはグループ内で繰り広げられる投資関連トークに「何やら専門的な会話が続いているな。勉強になりそうだな。」と思って興味を持ってしまう可能性があります。

しかし、トーク内で交わされるトークは単に前日の上場企業の株価を羅列したり、証券会社のマーケット情報をそのまま転載しただけで、特段、役に立つ情報ではありません。

また、ローソク足やトレンドライン、サポート・レジスタンスライン、といった投資関連用語に加え、ギャン理論、BOLL指標といった専門用語も織り交ぜたトークが展開されるケースもありますが、いずれも概要説明の域を出ない、毒にも薬にもならない無味乾燥な言葉が並ぶだけで、投資経験者からすれば「だから何?」といった稚拙なものに過ぎません。

なお、複数のグループにおいて同一のトークが使い回されており、一部の内容についてはテンプレートが作成されている可能性もあります。

           — 同一トークが複数のグループに転用されている事例 —


専門的な用語を並べ立てて初心者を欺くのも詐欺の常套手段ですが、何かすごそうな事を言っていたとしても妄信しないよう注意が必要です。


【氾濫する写真盗用・名義冒用】
LINE投資グループ詐欺に登場する「先生」については、出自がはっきりしない架空の人物のほか、実在の大学教授などが名義を勝手に使われるケースもあります。

        — 偽の東京大学経済学研究科・柳川範之氏によるトーク —


東京大学大学院経済学研究科・経済学部の柳川範之氏も名義を冒用される被害に遭っており、偽の経歴紹介画像がLINEトーク上に掲載されたり、柳川氏の写真画像が勝手に複製され、何者かが本人になりすましてトークに参加しています。
※柳川氏や東京大学ではウェブサイト上で注意喚起しています。

また、滋賀大学経済学部ファイナンス学科の吉田裕司氏も複数の投資グループにおいて名義冒用が確認されています。

       — 滋賀大学経済学部 吉田裕司氏をかたったLINEトーク —


この他、「先生」の師匠のような人物が登場するケースもあり、上述した吉田裕司氏の先生として紹介される《WASEDA NEOの顧問・岩城正道氏》についても、WASEDA NEO事務局ではLINEのグループにおいて投資指導をするような講座は実施していないと回答しています。

さらに、アシスタント役の女性についても、偽名はもちろん、使用される顔写真も他人がSNSに挙げた画像等を盗用しており、「F04 資産運用情報交換グループ」のアシスタントとして高山千穂を名乗るアカウントでは、女優の橋本環奈氏が自身のSNSにアップした画像がそのまま使われています。

            — 女優・橋本環奈氏の写真画像を盗用した事例 —

また、サクラのメンバーも氏名や画像は盗用されたものばかりで、初心者を装って古関美奈子を名乗るアカウントではYouTuberの方の画像が使われています。

— YouTuberの Instagram 掲載画像から登用された事例 —

こうした写真画像の盗用や名義冒用については、LINE投資グループ詐欺のほか詐欺サイトの口コミ投稿などにも散見され、インターネット上では野放し状態といえます。

写真が掲載されていても無断で盗用されている可能性があること、また大学や企業名を勝手に詐称している可能性もあること、これらが平然と行われている事実を知っておくことも必要です。

【被害に遭わない為に】
LINEで突如、強制的にグループに参加させられてしまう原因は、2021年9月以降にLINEが行ったアップデートにより、グループトークの作成時に相手の承認を得ずグループトークにメンバーを追加できるよう仕様が変更されたためです。

このため、招待された側のユーザーはグループトークへの参加や拒否を選択できなくなりました。

LINE投資グループの運営側は、相手の電話番号さえわかれば、電話番号で自動的に友達追加できますし、ランダムに生成した電話番号を使ってグループトークへ招待している可能性もあります。

いずれにしても、見知らぬアカウントからグループへ招待されるのを防ぐことで、こうした投資詐欺のリスクを減らすことはできます。

まず、電話番号で友だち追加させないために、LINEの設定で「友だち追加」させないようにしておく必要があります。

LINEの「設定」から「友だち」タブの「友だちへの追加を許可」をオフ(緑色→灰色)にすることで、電話番号から友だち追加されることはなくなります。

すでに相手から友だち追加されていて、グループへ招待されてしまった場合などは、すみやかにグループを退会したり、相手をブロックするなどの対応を行ってください。

絶対にトークルーム内でコメントしたりしないよう注意が必要です。

【知らない人からの連絡は無視する】
LINEに限らず、メールやSMSの場合でも共通する事は、知らない人からの連絡には注意する事です。

見知らぬ人から突然、「儲かる話がある」「あなたに財産を分け与えたい」「私とお付き合いしてほしい」などの連絡が来た場合、それがどんなに興味をそそる話であったとしても、絶対に無視する事です。

うまい話などこの世にはありません。

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