2024年5月6日
インターネットサイト利用にともなう未払金名目でお金を要求する架空請求詐欺で、支払わなければ裁判になり年金がカットされる、などと脅かすアポ電が確認されています。
北海道芦別市では7日、市内在住者の携帯電話に「サイトの未払い料金があり、民事裁判中である。支払いをしないと裁判になり、年金の3分の1がカットされる」などと不審な電話がありました。
これは架空請求詐欺の典型的な手口で、犯人はアダルトサイトやニュースサイトの利用料など、インターネット閲覧時の利用料金が未払いだと告げ、このままでは裁判になって訴えられ、財産が差し押さえられる等の話をして、ATMからお金を振り込ませたり、コンビニで電子マネーカードを購入させてお金をだまし取ります。
このほか、「ご利用料金に関する確認事項があるので本日中に電話をかけてほしい」といったショーメッセージ(SMS)が届くこともあり、記載された電話番号にかけると同じように裁判に移行するなどと脅してお金を振り込ませようとする手口もあるため注意が必要です。
【年金はカットされません】
犯人は未払金を支払わなければ「年金がカットされる」などと脅してきますが、国民年金や厚生年金などの公的年金は憲法第25条「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」によって保障された「差押禁止財産(差押禁止債権)」であり、国民年金法など各法で差押えが禁止されています。
インターネット利用料や電話利用料が未納だからといって、いきなり年金が差し押さえられるようなことはありませんので、安心してください。
一般的に差押えなどの強制執行に至る前には、督促状などによる催促が続いた後に、財産調査が行われ、裁判所から特別送達で支払督促が届くなど一定の手続が必要で、何の予兆もなくいきなり《あなたの財産が差し押さえられる》などと連絡が来ることは絶対にありません。
このような電話やメール、SMSなどで督促連絡が来ても、無視して相手にしないようにしてください。
【NTTをかたる自動音声通話にも注意】
自動音声通話による詐欺の電話も増加しており、NTTやNTTドコモ、またはNTTお客さまサポートセンターやカスタマーセンターを名乗って電話料金の未納がある、などと告げる手口もあり、被害が拡大しています。
この手口では、自動音声で「ご自宅の電話契約が解約されます。詳細は《1番》を押してください。」などとオペレーターへつなぐよう促し、電話口のオペレーターが本人確認と称して住所氏名などの個人情報や、契約情報の確認と称して銀行口座やクレジットカード情報を聞き出します。
NTT(東日本・西日本)やその関連会社が、顧客の契約状況や回線の解約・利用停止について、自動音声ガイダンスやSMSを使って連絡することは一切ありません。
まして料金未納に対して裁判を起こす、電話を止める、といった話を電話口でオペレーターが行うこともありません。
インターネットバンキングの口座番号と暗証番号を教えてしまった結果、口座から数百万円を引き出されてしまう被害も発生していますので、NTTなどの名称を信じたり、自動音声通話だから公式な連絡だと思い込まないよう、注意が必要です。