2025年10月1日
特殊詐欺において定番化している警察官をかたる手口において、9月以降、《 澤村一樹(サワムラ カズキ)を首謀者とする国際的な資金洗浄事件 》と称する架空の事件に関与が疑われると告げ、偽の事情聴取を行う事案が全国で多発しています。

現在の警察かたりの手口では、電話をかけた相手に逮捕状が出ている、または犯罪の容疑かかかっている、などと告げて遠方の警察署へ出頭するよう求め、どうしても出頭できなければ電話やLINEによる事情聴取で良いとした上で、偽札調査等の理由で現金を回収したり、保釈金名目で現金を振り込ませるケースが主流となっています。
《澤村グループ詐欺事件》と称する手口においても、警視庁捜査二課をかたる者から「富山県警から捜査の協力要請を受けている」「富山で発生した詐欺事件で押収したカードの中にあなたのカードがあった」「本日中に富山県警まで出頭してもらう必要がある」などと告げてきます。
【実際の音声】警視庁捜査二課の黒崎をかたり、富山県警への出頭を求める電話
偽警官は本日中に富山まで出頭するよう求めてきますが、それが難しいと答えると、「これから富山県警に電話を転送します」「富山県警の方に事情を説明して身の潔白を証明してください」などと、今度は富山県警と話をするよう告げられます。
【実際の音声】警視庁から富山県警へ通話を転送すると説明する通話
この時、警視庁の偽警官は「富山県警の担当者には、事件番号を伝えてください」「事件番号は、令和7刑(わ)286、です」と告げるなど、あたかも実際に起きている事件であるよう小細工をしてきます。
「被害額が数億円規模になっている事、多くの被害者が出ている以上、法的責任はカード保有者のあなたにもある」などと脅しをかけることも忘れません。
その後、あたかも転送しているようなコール音が聞こえた後、富山県警刑事部捜査二課の澤部と名乗る者が対応し、事件番号の確認や事件概要の説明を行った後、事情聴取と称して個人情報や資産状況を質問してきます。
【実際の音声】転送先の富山県警の捜査員と称する者の通話
【第三者の介入を排除する手口】
特殊詐欺の手口全般に言える事ですが、詐欺犯はターゲットが家族や友人などに相談しないよう、この会話は人に聞かれてはいけない、などと告げてきます。
警察語りの事案では、「あなたに犯罪の疑いがある以上、あなたの周りに共犯者がいるかもしれない」「家族や同僚であっても情報が漏れれば犯人検挙に支障が出る」などの理由をつけ、「秘密保持を徹底する必要がある」などと絶対に他人に話を聞かれないよう念押ししてきます。
「もしこの聴取中に第三者の声が聞こえたら、即刻事情聴取は中止し、ただちに出頭していただきます」といった脅しも忘れません。
そもそも警察が電話やLINEで事情聴取する事は絶対にありませんので、犯人の言う事を鵜呑みにしてはいけません。
【個人情報は漏れている】
本事案で詐欺犯は、氏名や電話番号、住所といった基本的な情報を知っており、利用しているカード会社や利用したECサイトを把握しているケースも確認されています。
すでに相手が個人情報を詳しく知っている、という状況も騙される原因の一つです。
とくにインターネット上の通販サイトを利用したり、アンケートに答えるなど、個人情報を入力したこと経験があれば、それらの個人情報は漏れていると考えて間違いありません。
ECサイトの中にはセキュリティが脆弱なショップも多く、カード情報や住所氏名といった個人情報が漏れてしまう事は、残念ながら避けようがないのが実情です。
また、宅配業者の宅配員が伝票の写真を収集して名簿業者へ販売する、といった闇バイト的なケースも確認されており、もはや個人情報の漏洩を完全に防ぐ手立ては皆無と考えた方が良さそうです。
詐欺犯の口車にあっさり乗せられないためにも、私たちの個人情報はすでに漏れている、との認識を持っておくことが大切です。