健康保険証《新規発行停止》マイナ保険証詐欺に注意

2024年12月2日

本日(12月2日)から健康保険証の新規発行が停止されました。

これは、従来の健康保険証をマイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」への移行を目的とした措置で、現在使用している従来の健康保険証は有効期限を過ぎると使用できません。
※有効期限が示されていない場合は来年(2025年)12月1日まで使用可能

ただし、有効期限が切れても、各保険組合から事前に交付される「資格確認書」を使えば、引き続き保険診療を受けることは可能です。

- 資格確認書(イメージ)厚生労働省Webサイトより -


【混乱に乗じた詐欺に注意】
マイナ保険証については、マイナンバーカードの普及率の低さやマイナンバーカードの盗難リスクなど、制度面について反対の意見が多いほか、保険証の代わりに送られてくる「資格確認書」の有効期限も保険組合や自治体によって異なっており(最長5年)、来年7月31日までの間に75歳の誕生日を迎える方や、転居する等して資格情報が変わってしまう人には、マイナ保険証に切り替えていても「資格確認書」が送られてくるなど、わかりにくい面が散見されます。

こうした制度の混乱に乗じて、詐欺が急増する可能性があり、すでに厚生労働省や市役所(区役所)職員をかたった者が、電話やメールでマイナンバーカード情報を聞き出したり、ATMへ誘導して機械を操作させる事案が発生しているため注意が必要です。

これまで以下のような事例が確認されています。

〇厚生労働省医薬局のタナカと名乗る人物から電話があり、「あなたのマイナンバー保険証が不正利用され、東京の薬局で法に触れる薬剤の不正処方が行われたことになっている。このままでは犯罪に加担したとみなされるため、至急、厚生労働省まで来てほしい。」などと言われた。
すぐには対応できない旨を伝えると「このまま警視庁特別捜査一課のコールセンターにつなぎます」と言われ、コールセンターの担当者につながった。

〇厚生労働省の職員をかたる者から電話があり、健康保険証とマイナンバーカードの紐づけ確認を名目に、カード番号や暗証番号を聞き出そうとした。


今後もマイナ保険証に関連した詐欺が予想され、とくに以下の手口には十分注意してください。

1)マイナンバーの個人情報を聞き出すアポ電
厚生労働省や役所の職員をかたる電話で、マイナ保険証の登録手続きと称して、マイナンバーカードの番号や暗証番号を聞き出す。
※家族構成や資産状況、銀行口座などについて聞かれることもありますが、絶対に答えてはいけません。

2)マイナ保険証の登録手続きと称してATMへ誘導
厚生労働省や役所の職員をかたる電話で、マイナ保険証の登録手続きと称して、コンビニなど近くのATMへ誘導し、端末を操作させて詐欺口座へ現金を振り込ませる。
※実際にセブン銀行のATMでマイナ保険証の登録手続きが可能なため、この手口は特に注意が必要です。

3)マイナポータルを装った詐欺サイトへ誘導
厚生労働省や総務省を装ったメールやSMSにて、マイナ保険証登録に関するバナーやボタンをクリック(タップ)させて詐欺サイトへ誘導し、マイナンバーカード情報やクレジットカード情報を入力させて盗み出す。

 - 厚生労働省をかたった偽メールの例 -

過去には「マイナポイント第2弾」と称したマイナポイントの偽サイトによるフィッシング詐欺が確認されており、今回も同様のサイトが作られる可能性があります。

 - マイナポイント第2弾と称するフィッシングサイト -

これらの偽サイト(フィッシングサイト)は非常に精巧に作られているため、見ただけで偽モノかどうか判断するのは困難です。

- クレジットカード情報を入力させる画面 -


これまではクレジットカード情報を入力させるケースがほとんどでしたが、マイナ保険証の登録をかたる手口では、マイナンバーカードの番号や4つの暗証番号の入力欄が設けられ、各種手続きに必要な情報がすべて盗み取られる可能性があります。


【マイナンバーカード情報の重要性】
マイナンバーカードの番号や暗証番号の情報が漏れてしまうと、最悪の場合は自分名義の銀行口座やクレジットカードが勝手に作られるなど、第三者による成りすまし被害のリスクが高くなります。

北海道では今年3月、70代女性がマイナンバーカードの情報を流出させてしまった結果、この女性名義のネットバンク口座が勝手に作られ、この口座へ資金を移すよう偽の総合通信局や警察官を名乗る者から指示され、約1400万円をだまし取られる被害が発生しています。

健康保険証のみならず、来年3月からは運転免許証もマイナンバーカードとの一体化が開始され、ますますマイナンバーの取扱いには注意する必要があります。

また、マイナンバーカードの各種暗証番号は数字4桁(署名用は英数字6~16桁)と安全面が脆弱で、第2暗証番号やワンタイムパスワードも導入されていないため、いったん外部に漏れると簡単に悪用される恐れがありますので、その取り扱いは厳重にするべきでしょう。

【だまされないために】
マイナンバーカードの健康保険証に関して、利用促進や登録案内などについて、厚生労働省や市区町村から直接、電話(音声案内含む)やSMS、メール等を用いて連絡することは絶対にありません。

とくに、厚生労働省の職員が一般個人の方へ電話をかけることは、マイナンバーカードの健康保険証利用に関する事のみならず、一切ありませんので注意してください。

マイナ保険証に関連した各種詐欺に対して、基本的に以下の点に注意しておくことで、詐欺被害を防ぐ事ができます。

 〇 マイナ保険証の手続きに関して、行政機関から電話やメール・SMSが来ることはない。

 〇 厚生労働省の職員が、一般の方へ電話をかけてくることはない。

 〇 マイナ保険証の登録方法は3つだけ。
  (①医療機関・薬局のカードリーダー、②マイナポータル(サイト)、③セブン銀行ATM)


【マイナ保険証の問い合わせ先】
万が一、健康保険証のマイナンバーカード登録に関する電話を受けてマイナンバーや暗証番号などを答えてしまった場合や、マイナンバーカードの保険証利用に関して不明な点がある場合は、デジタル庁のマイナンバー制度に関する総合フリーダイヤルへ問合せてください。。

📞0120-95-0178(無料のフリーダイヤル)
受付時間 9:30 ~ 20:00(土日祝は17:30まで)
※年末年始(12/29-1/3)を除く

音声自動ガイダンスで操作方法が案内されますので、マイナンバーカードの保険証利用については『5番』を押し、さらに「健康保険証の新規発行や停止(1番)」や「マイナンバーカードの健康保険証利用の申込み(2番)」、「利用可能な医療機関等の問い合わせ(3番)」、「その他(0番)」のいずれかへ進みます。

その他、聴覚障害者等の方向けの電話リレーサービスや、フリーダイヤルが繋がらない一部IP電話用の050番号、外国語対応ダイヤルなどについては、デジタル庁の「マイナンバー制度に関するお問合せ」をご確認ください。

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