遠方の都道府県警を名乗りLINEへ誘導するアポ電

2024年11月20日

警察官をかたる特殊詐欺の電話において、お住まいの地域から遠方の都道府県にある警察署員を名乗る事案が増えています。

都内では本日、青梅市内のお宅に北海道警・豊平警察署の警察官を名乗る者から電話があったほか、港区や大田区内では兵庫県警をかたる者からウソの電話が入っています。

このほか北海道苫小牧市では19日、警視庁の職員をかたり「詐欺グループの一人としてあなたの名前が挙がっている。茨城県警に出頭してもらうことになった」と告げる電話や、福島県会津若松市では大阪府警を名乗る不審電話が確認されています。

これらの電話では、遠方の都道府県において「あなたの名義で携帯電話が契約されている」や「あなた名義の携帯電話番号が詐欺に使われている」などとウソを告げて、遠方の警察署まで直ちに出向く必要があると伝えます。

また、稲城市内では警視庁をかたって電話をかけ、「事件にかかわっている可能性があるので石川県警まで来てください」などと、これも遠方へ出向く必要があると告げています。

【LINEへ誘導する手口】
こうした手口はあえて遠方の警察署への出頭要請を行い、それが難しければ「LINEで連絡を取りましょう」などと通信アプリに切り替えるよう伝え、ビデオ通話上で詐欺を仕掛けるのが目的となっています。

実際に被害も多数発生しており、山形市内では60代男性が、仙台北警察署のイグチを名乗る者などからLINEで「マネーロンダリングの容疑者として疑われている。無実を証明するには、口座のお金をスクリーニングする必要がある。」などと告げられ、指定された口座に7回にわたり計約5,560万円を振込み、だまし取られる被害に遭っています。

これらの手口では、警察官を装った詐欺犯がLINEによる連絡を求めてきますが、本物の警察官がLINEで聴取を行ったり、手続きを要求する事は絶対にありません。

【逮捕されると言われたら】
警察官をかたる詐欺においては、「あなたを逮捕するかもしれません」や「あなたに逮捕状と差押許可状が出ている」などと《逮捕》をちらつかせて不安に陥れるケースも確認されています。

誰もが突然、逮捕されるかもしれないと言われれば冷静ではいられないでしょう。

しかし、警察が事前に「これから逮捕します」などと電話で連絡することは、まずありません。

逮捕の前に連絡をしなければならないという規則はありませんし、そもそも被疑者へ事前に逮捕すると伝えれば、被疑者が逃亡してしまう可能性もあるため、逮捕状が出ているなどと、わざわざ教える必要はまったくないのです。

通常、逮捕する場合は事前に裁判官から逮捕状を得た上で、令状を持参した警察官が突然やってくるというのが一般的ですから、電話で「あなたを逮捕する」などと言われても信じずに、最寄りの警察署や110番に通報して確認する必要があります。

中には「任意で事情を聞きたい」と言ってくるケースも考えられますが、その場合でもLINEなどの通信アプリを使う事は絶対にありませんので注意してください。


【だまされないために】
偽警察官は逮捕をちらつかせながら、「犯罪と関係のないことを証明するため、お金を振り込んで欲しい。」などと言って現金を振り込ませてお金をだまし取ったり、事情徴収を装って住所氏名や家族構成、資産状況などの個人情報を聞き出そうとしてきます。

9月に確認された事案では、厚生労働省保険局調査課の新田を名乗る者から「あなたの保険証が不正使用され、那覇市内の精神科クリニックで規制薬品が処方された」といった電話があり、新田を名乗る者が那覇警察署に被害届を出すよう促して《緊急通報ダイヤル》で那覇署に転送した後、那覇署の真島健 警部補を名乗る者とのLINE電話へ誘導されています。

このLINE電話の中で、被害届を出すよう言われて作成している間、電話口では真島警部補と那覇警察本部との無線交信が流れる等、だますための場面設定が巧妙に造られていました。

他の事例でも、電話口でパトカーのサイレン音や、警察無線の音声を流すなど、あたかも本物の警察官から電話が掛かっているよう錯誤してしまう工夫が随所にみられます。

このように進化している詐欺の手口ですが、本物の警察官が「逮捕する」と告げたり、以下の要求をすることは絶対にありませんので、だまされないよう注意が必要です。

もし警察官から電話がかかってきても、上記の要求をされた場合はすぐに電話を切り、110番など警察へ通報してください。


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