豪雨災害に便乗した《寄付》《調査》《修理》に注意

2024年8月9日

山形県や秋田県を中心に発生した豪雨災害の被災者支援策として、日本赤十字社をはじめ、赤い羽根共同募金(中央共同募金会)等の各団体において、義援金の募集が8月より始まっています。

こうした寄付の窓口として、各団体のウェブサイトや市区町村の役場、民間企業のポイント寄付といった様々な方法が採られていますが、過去の豪雨災害や能登半島地震においては、義援金の募集をかたった電話や訪問による偽の寄付を募る行為が確認されています。


また、豪雨災害の調査を口実に、個人情報を聞き出すアポ電も発生しており、7月29日には山形県鶴岡市内の80歳代女性宅に、消防署職員をかたって「大雨災害の避難関係で家族構成を教えてください」などの不審電話が確認されています。

このほか、台風や豪雨災害後には、床下・床上の消毒や屋根の修理、廃棄物回収などを請負って不当に高額な請求を行うケースや、家屋調査や火災保険の確認などと称して被災者に近づき、勝手に屋根や外壁の修理をして高額費用を請求するケースも頻発しているため注意が必要です。


【義援金・寄付をかたる詐欺の注意点】
1️⃣ 義捐金の電話や訪問は詐欺!
公的機関が個別に電話で義援金を求めたり、地方公共団体の職員やボランティア団体が戸別に訪問して義援金を集金する事は一切ありません。

このような電話や訪問を受けたとしても、指定された振込口座へ入金したり、訪問者へ現金を渡すことのないよう、十分に注意してください。

2️⃣ SNSや偽サイトにも注意
赤十字を装ったメールが届き、日本赤十字社の正規ウェブサイトを模した偽ページへ誘導してお金を振り込ませるケースや、被災者を装ってSNS上で寄付を呼び掛ける手口にも注意が必要で、義援金に関するメールやSMS経由の連絡、またSNS上での呼びかけについては詐欺を疑う必要があります。

また、一般的に偽の義援金サイトやSNSによる寄付の呼びかけにおいては、振込先口座が個人名義であるケースが多く、正規の支援団体においてはあり得ませんので、寄付金を振り込む場合は、必ずウェブサイトなどで支援内容や振込先口座について確認するようにしてください。


【かたり調査の手口に注意】
特殊詐欺におけるアポ電のひとつに、高齢者の家族構成や資産状況を確認する目的で、国勢調査やNHKの調査などを装って電話をしてくるケースがあり、災害に関連した調査を装う事案も確認されているため、注意が必要です。

「市(国)から委託されて被害の家屋調査している。」、「あなたの地区が激甚災害の指定を受けたので調査している。」などもっともらしい理由で電話をかけてきますが、通常、被災地域に対してこのような調査が行われることはありません。

とくに、詐欺犯や悪質業者は《独り暮らし》かどうかを確認する傾向が強く、これは《独り暮らし=相談する相手がいない》という点を確認し、ターゲット選定に利用しているものと思われます。

また、「預貯金は十分にありますか」などと資産状況を尋ねられた場合は、ただちに電話を切るようにしてください。

まともな調査であれば、電話で資産状況をお聞きすることは絶対にありません。


【家屋の修理に関連した高額請求の手口】
1️⃣ 屋根補修にブルーシートで高額請求
雨漏りなどへの応急処置として、ブルーシートを無料で張ると言って簡単な作業を行った後、ブルーシートの材料費などで20万円近くの作業費用を請求される事例や、屋根が飛ばされた家屋の住人に対し、高額な見積もりを出した上で「先に手付金を払えば優先的にやります」などと言って手付金を受け取った後、連絡が取れなくなる事例が過去、複数件確認されています。

また、見積り依頼のため業者を呼んだだけなのに、勝手に屋根にビニールシートをかけられた上、高額な作業料金を提示されるケースもあるため注意してください。

 ○ 突然、訪問してきた業者は相手にしない 
 ○ 依頼する場合は見積書をとり(できれば複数社)、その場で契約しない
 ○ 勝手に作業されて料金を請求された場合、お金を払わず消費生活センターへ通報する。
  ※悪質な場合(居座る、恫喝する等)は警察を呼ぶ

2️⃣ 廃棄物回収にも注意
災害ボランティアを装った者が浸水したお宅を訪問し、「水害にあって使えなくなった家具を引き取ります」と持ち掛け、廃棄物をトラックに積み込んだ後に、高額な回収料金を請求するといったケースや、市役所職員を装って家屋の片付けやドロ掃きの手伝いを申し出て、後で手数料を要求するケースもあるため注意が必要です。
※行政職員が家屋の片づけを手伝って料金を請求することは絶対にありません。

3️⃣ 床下・床上浸水後の消毒は行政窓口を利用
家屋が浸水被害に遭った被災者宅を訪問し、「補助金が出るので家屋の消毒を請け負います」などとウソを言って被災者を騙し、不当に高額な料金を請求する悪質業者があります。

「浸水したお宅の消毒を、市役所から依頼された」などの電話がかかってくることもありますが、頼みもしないのに行政側から消毒作業をあっせんする事はありません。

市役所の保険課、環境課、住宅課、健康推進課等の《窓口》で「床下・床上消毒」を受け付け、指定業者を派遣したり紹介することはありますが、これらは被災者自ら罹災証明など必要な手続きを経て利用できるものです。

いきなり訪問してきたり、電話勧誘してきた業者には依頼せず、必ず自ら行政の窓口に相談して業者の手配を行うようにしてください。

 ○ 消毒作業は市区町村の指定業者に頼む 
 ○ 複数の業者から見積もりを取って検討する

【保険金請求サポートをうたう業者】
家屋の修理に関するさまざまな手口に関連して、《保険を使えば無料で修理できますよ》といった切り口で勧誘する手口にも注意が必要です。

これは、「火災保険の申請を請負います」、「火災保険で屋根の修理が無料でできます」、「家財道具の補償金が出ます」などと告げ、あたかも料金がかからずに修理ができるような話を持ちかけて、実際には高額なリフォーム契約を結ぶ手口も近年増えています。

悪質業者は、「保険金で家を修理しませんか」などと持ち掛け、「保険金が出るので、自己負担なしで修理できますよ」、「手間のかかる保険金請求の手続きも、代わりにやってあげますよ」などと勧誘してきます。

こうした業者は保険金請求サポート契約をさせてから、高額な手数料を請求する事が目的であったり、工事自体もその業者が請け負うことになり、本来は無料でできた工事も行政の補助が認められずに結果として有料(高額な)となってしまうケースもあります。

保険金請求の代行を口実にする業者の目的は《自社で工事を請け負う》ことにあるため、工事ありきで保険申請の話をしてきますが、保険請求と工事が一体化した事業者に依頼するメリットは何もありません。

この他、「災害で被害にあった家屋にお見舞金が出る」という電話が突然かかってきて、いくつかの質問に答えたところ、翌日リフォーム業者が訪問してきて、不要な修理の勧誘を受けるケースもあります。

〔悪質業者のアプローチ事例〕
 ① 「自己負担なく修理できるので見積もりを作らせてほしい」
 ② 「火災保険や地震保険の申請を代行してあげます」
 ③ 「災害で被害にあった家屋にお見舞金が出ます」
 ④ 「被害状況を確認しています。屋根の点検も無料でできます」
 ⑤ 「今すぐ工事しなければ雨漏りしてし大変なことになります」
 ⑥ 「給付金190万円が貰えるので修理した方がいいですよ」

〔だまされないポイント〕 
 〇 まずは、契約している保険会社または代理店に相談する 
 〇「後から申請すれば費用が返って来る」と言われても役所に確認する 
 〇 不審に感じた場合は消費者センター(消費者ホットライン:188番)へ通報する

今後、台風シーズンに突入することや、地震災害のリスクが高まる中、こうした被災関連の詐欺や悪質商法が増加する恐れがありますので、十分に警戒してください。

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