2024年7月5日
スマホなど携帯端末のショートメッセージ(SMS)に高額当選の通知を送りつけ、詐欺サイトへ誘導するスミッシング(フィッシング詐欺のSMS版)詐欺において、7月3日の新紙幣発行に乗じた《新紙幣発行記念》と称するメッセージが確認されているため注意してください。
これは当選詐欺と呼ばれる《架空請求詐欺》の一種で、あなたは高額当選しました!などと多額のお金がもらえる等の偽情報を送信し、連絡してきた相手に手数料名目でお金をだまし取ったり、クレジットカード情報を入力させて盗み出すものです。
当該サイトは《100万円おじさん》主催のお金配り祭りと称し、当選者は100万円前後の配当金が受け取れるとしています。
このサイトではご丁寧に贈与税に関する解説が行われており、《贈与税が発生しない110万円まで》を配当の上限にしている、などと説明しているため、中には「ちゃんとしたサイトなのかな」とだまされてしまう人が出てくるかもしれません。
また、未換金額が約2億円に上るなどと表示してエントリーへの動機づけを行うといった巧妙さも見受けられます。
こうした偽サイトを信じて、『SMSを送信して配当を受け取る』ボタンを押して携帯電話番号を登録すると、専用ページへ遷移してマイページなるものが表示されます。
【プレミアムクラスで22億円!?】
このマイページも意味不明なところがありますが、なぜかプレミアムクラスに昇格したことになり、《伊藤かおり》と称する者から22億8千万円の支援金が贈呈されることになります。
しかも、本来は3,000万円以上のポイントがなければプレミアムクラスへ昇格できないところ、今回は特別に1,000円分のポイントを購入すればプレミアムクラスへ昇格できるとして、その手続き方法が案内されます。
ここで1,000円分のポイント購入方法として、クレジットカード決済やプリペイド式電子マネーによる支払いが示されますが、当然のことながら詐欺サイトですので、ポイントを購入したところで22億円どころか1円も受け取ることはできません。
さらに、クレジットカード情報を入力してしまった場合、この詐欺サイトを通じて犯罪グループへカード情報が流れてしまうため、第三者によるなりすまし利用のリスクが高まります。
【クレジットカード情報はむやみに入力しない】
フィッシング詐欺やスミッシング詐欺では住所氏名などの個人情報やクジレットカードやキャッシュカードなどのカード情報を入力させるケースが多く、とくにクジレットカード情報では「名義人」と「カード番号」、「有効期限」や「セキュリティコード(CVV)」が知られてしまうと、ECサイト等での決済に使われてしまうため、自分の知らないうちに高額商品が購入されてしまうといった被害に遭う恐れがあります。
フィッシングやスミッシングによるものと思われるカード番号盗用による被害額は2020年以降増え続けており、2023年度は約504億円と2020年(約223億円)の2倍以上に激増しています。
今後もクレジットカード情報を盗み出す目的で、詐欺犯がフィッシングメールやSMSを頻繁に送り付けてくるのは確実で、私たちもクレジットカード情報の扱いには十分に注意する必要があります。
【新紙幣発行に伴う詐欺について】
新紙幣発行に伴う詐欺ついては、警察や財務省、各金融機関のほか、テレビや新聞等のメディアによる注意喚起が行われていますが、すでに被害も発生しています。
手口も巧妙化しており、詐欺犯は「医療費の還付があります」などとウソを言ってだます還付金詐欺の電話をかけ、話の途中で次第に新紙幣の話題に切り替えていき、今度は金融機関の職員を名乗る者が「旧紙幣は使えなくなるので預けてもらえれば新紙幣へすぐ交換する」などともちかけて現金をだまし取るなど、還付金詐欺と預貯金詐欺のミックス型・劇場型犯罪へと発展しています。
また、「旧紙幣の流通量調査のため、一度預けてほしい」と言って現金を受け取るケースも確認されていますが、新紙幣発行に伴い旧紙幣が使えなくなることはありませんし、旧紙幣の流通量調査が行われる事もありません。
このほか、平成から令和への改元時に多発した「銀行法改正によりキャッシュカードを新しくする必要がある」などと言ってカードを盗み取る手口や、警察官を装って「あなたの口座が犯罪に利用されているので調査が必要」などと現金を確認するフリをしながら、「安全な新紙幣へ交換する」などの口実で現金をだまし取るケースも予想されます。
➡ 6月5日_当サイト記事[新札(日本銀行券)発行『現行紙幣を回収』は嘘!]に詳述
新紙幣発行を口実に、「旧紙幣を交換する」や「キャッシュカードを新しくする」、「紙幣を確認する」など、お金やキャッシュカードについて話をされたら、間違いなく詐欺ですので絶対に相手にしてはいけません。