「+」で始まる電話番号に注意➡ブロック手続きを

2023年10月31日

特殊詐欺のアポ電において、国際電話番号が悪用されるケースが急増しており、警察庁の資料によると今年7月から急激に件数が増加、9月には2,192件が認知されており、5月に比べて6倍以上の増加率となっています。

― 警察庁「特殊詐欺に犯行利用された番号種別件数の推移」を一部加工 ―


詐欺グループは実際に海外から電話をかけているわけではなく、海外の電話番号が無料で取得できる電話アプリを悪用しているものと思われます。

たとえばアメリカの「Nextplus」をインストールすれば、アメリカのSIMカードがなくてもアメリカ国内の電話として世界中で通話することが可能なため、詐欺グループは日本国内で通信回線契約するリスクを負わずに詐欺の電話をかけることができます。


【国際電話番号は頭に+がつく】
国際電話をかける場合、番号の頭に国番号をつけて発信しますが、国際電話がかかってくる場合にも、番号の頭に《+国番号》がついた電話番号が表示されます。

国際電話番号からの詐欺電話は現在も連日、全国で確認されており、北海道内では10月30日、本別町内で「+1」から始まる番号から携帯電話に着信があり、NTTを名乗る者が「セレナというウェブサイトに登録した利用料などが支払われていない。今日中に払わなければ明日裁判になる」などの電話があった他、27日には岩見沢市内で携帯電話に「+1」から始まる番号の着信があり、自動音声で氏名や生年月日を聞かれたり、インターネットの入会金の未納料金を請求される不審電話が確認されています。

また、群馬県伊勢崎市内でも29日、「+」から始まる国際電話番号から「1年前に登録したアダルトサイトなどの未払いがある。30万円を電子マネーで支払ってください」などの電話が確認されています。

【国際電話ブロックサービスの利用】
国際電話を日常的に利用しないのであれば、国際電話の発信・着信をブロックするのが詐欺防止において有効な対策となります。

海外とのコミュニケーションは現在、Google MeetやZoom、Skype、LINEなどのアプリを利用すれば簡単にできるため、わざわざ国際電話を利用することも(一般的には)ないと思われますので、この機会に国際電話の利用を休止しておくことを強く推奨します。

固定電話についてはNTTコミュニケーションズ(東日本・西日本)、KDDI、ソフトバンクの各社共通の窓口として「国際電話不取扱受付センター」が用意されており、利用休止手続きが無料で行えます。
※利用休止手続き後は海外からの着信のみならず発信もできなくなります。(コレクトコールも受けられません)

〔国際電話不取扱受付センター〕
〒160-0023 東京都新宿区西新宿1丁目20番1号 オリックス不動産西新宿ビル
電話番号 0120-210-364(通話料無料)
取扱時間 オペレータ案内:平日午前9時から午後5時まで
     自動音声案内:平日、土日祝24時間(Web申込は24時間可能)


利用休止手続き方法には①Web申込と②書面申込の2つの方法があります。

①Web申込の場合
受付センターへ電話(0120-210-364)し、ガイダンスに従い「1」をプッシュするとパスワードがアナウンスされます。
次にWebサイト「国際電話不取扱受付センター」のログイン画面で、アナウンスされたパスワードを入力してログインし、契約者情報(契約者名、住所、連絡先電話番号、等)を入力して手続きは完了です。

②書面申込の場合
受付センターへ電話(0120-210-364)し、ガイダンスに従い「2」をプッシュするとオペレーターにつながりますので、書面の送り先を伝えます。
後日、郵送された申込書に記入の上、返送して手続きは完了です。

①、②いずれの場合も申し込みから数日~10日間程度かかります。

なお、スマートフォンなどの携帯端末の場合、android端末では着信拒否アプリが各種ありますが、iPhoneの場合は同様のアプリが確認できませんでした(記事執筆時点)ので、「+」からの電話には出ずに一つずつ着信拒否設定していくなどして対処する必要があります。


【積極的な防止策を】
特殊詐欺で利用される携帯端末の回線契約(SIMカード)契約においては、本人確認が厳格化されるなど、詐欺グループにとって追跡されるリスクが大きく、近年では固定電話アプリを悪用して「03」や「06」などの市外局番からの詐欺電話も増えていましたが、これらも一定の本人確認が要るため追跡リスクは残ります。

これに対し、海外の電話アプリであれば無料で利用できるものもあり、本人確認不要で登録、利用ができるため詐欺に悪用するには好都合といえます。

他にも「Hushed」など、使い捨ての国際電話番号が取得できるアプリは複数存在するため、詐欺グループはこれらのアプリを用いて、今後も詐欺の電話をかけてくることが予想されます。

しかし、この手口の弱点は国際電話を表す「+」がナンバーの先頭に表示されることですので、私たちは「+」からの電話に出ないことはもちろん、上述した国際電話不取扱の手続をすることで詐欺被害のリスクを軽減できます。

こうした詐欺防止への取り組みを積極的に行いましょう。

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