2023年9月1日
日本年金機構をかたり、「一人暮らしですか」「二世帯住宅ですか」などと家族構成を尋ねたり、「貯金はどれくらいありますか」などと資産状況を聞き出そうとする詐欺の電話が全国で確認されています。
そもそも日本年金機構が個人宅に直接、電話や訪問することはなく、年金保険料の未納連絡などの業務も民間事業者に委託しているため、《日本年金機構》を名乗る電話や訪問はすべて詐欺と思って間違いないでしょう。
このような電話は特殊詐欺におけるアポ電の一種で、詐欺や強盗のターゲットを探すのが目的です。
相手が独り暮らしと分れば、身近に相談する家族もいないので騙しやすいと考えますし、資産が多ければ狙う価値も高まり、場合によっては強盗の対象にもなりえます。
さらに家族構成も把握できれば、息子や孫の名前を騙ったオレオレ詐欺に転用する事もできるため、詐欺犯にとっては重要な情報となるのです。
犯人は不審に思われないよう、日本年金機構などの公的機関を名乗って電話をかけてきますが、以下のような事項について聞かれた場合は詐欺の疑いがあるため、すぐに電話を切り、警察へ通報してください。
●世帯の家族構成を尋ねる
●息子の勤務先や連絡先を尋ねる
●独り暮らしか尋ねる
●収入(年収)や年金額を尋ねる
●介護保険受給について尋ねる
●預貯金口座の数や資産状況を尋ねる
●クレジットカードやマイナンバーカードについて尋ねる
【還付金詐欺のケース】
日本年金機構をかたる電話には、還付金詐欺を目的としたケースもあり、犯人は「年金の払い戻しがある」などと話し、「ATMの手続で還付金が受け取れます」などとATMへ誘導してATMを操作させ、巧みに犯人口座へ振込ませたり、自宅までやって来てキャッシュカードをだまし取るなどの手口が横行しています。
日本年金機構から電話で年金保険料などの還付連絡をすることはありません。
突然、数万円ものお金が戻る、と言われれば誰でも嬉しく思うはずですが、こうした還付金については自分で書類を作成して役所に提出し、審査を経てようやく入金されるのが常で、「お金が戻りますよ」などと親切に電話をかけてくることは絶対にありませんので、だまされてはいけません。
【日本年金機構を装ったSMSも】
日本年金機構を名乗り、《重要なお知らせ 必ずお読みください》と記載されたショートメール(SMS)が届くこともあります。
内容は以下のようなもので、確認のためにURLをクリックするよう仕向けるものです。
「あなたの国民年金は完全に支払われていません」
「国民年金口座は停止されました」
「年金サービスのホームページにログインして確認してください」
「24時間以内に手続きしてください」
記載された内容を読むと、少し不安になるかもしれませんが、慌てず、年金事務所に電話連絡して確認するか、パソコンやスマホの画面から「ねんきんネット」にログインして内容を確認するようにして下さい。
【日本年金機構が個人情報を聞くことはありません!】
日本年金機構では以下の注意喚起を行っています。
〇電話や訪問により、預貯金額や口座番号、職業や家族構成などの個人情報をお聞きすることはありません。
〇公的年金について、電話や訪問をすることがあるのは、日本年金機構及び当機構が業務委託を行っている委託事業者だけです。
〇職員及び委託事業者が訪問する際は、必ず日本年金機構が発行した写真付き身分証明書を携行し、お客様に提示いたします。
〇委託事業者など、日本年金機構の職員以外が訪問により現金をお預かりすることはありません。
職員が自宅へ訪問して現金をお預かりする場合は、その場で「領収証書」を発行します。
〇日本年金機構の職員が行う公的年金の手続き・年金証書などの再発行には手数料は一切かかりません。
尚、日本年金機構が業務委託している企業は、(株)アイヴィジットが代表を務める「アイヴィジット・東洋紙業共同企業体」や「アイヴィジット・NTT印刷共同企業体」、および(株)バックスグループであり、それぞれ担当する地域や管轄年金事務所が決められています。
《日本年金機構》を名乗る電話は詐欺!と認識しておくことが大切です。