中国電力に措置命令・電気の《自由料金》は要注意

2023年8月31日

消費者庁は30日、中国電力株式会社に対し、同社が配布したパンフレットや自社Webサイトにおける表示が、景品表示法違反(有利誤認表示)に当たるとして措置命令を発出しました。

中国電力は家庭用の電気小売供給における「ぐっとずっと。プラン スマートコース」や「ぐっとずっと。プラン シンプルコース」において、「ご家庭のお客さまに最も多くご契約いただいている『従量電灯A』よりも、1年間で約1,200円お得になる新コースです」や「『従量電灯A』で電気をたくさん使うご家庭なら年間約10,000円おトクに!」などと表示し、従来の規制料金『従量電灯A』から自由料金プランへ切り替えることで、年間1,200円~10,000円程度、電気代が安くなると謳っていましたが、実際にはいずれの場合でも『従量電灯A』より安価にならないケースがありました。

大手電力会社が景品表示法違反による措置命令を受けたのは今年2回目で、7月28日には北海道電力株式会社(ほくでん)が配布したリーフレットの表示について、景品表示法違反(有利誤認表示)により措置命令を発出されています。

【自由料金の罠】
今回、中国電力の表示内容における問題点は、従来からの「従量電灯プラン」から「自由料金プラン」へプラン変更すると安くなる、という文脈で勧誘していた点にあります。

設定された単価だけで計算すれば、「従量電灯プラン」から「自由料金プラン」へ変更すると安くなるように見えますが、実際には「燃料費調整金額」と呼ばれる変動料金が加算されるため、「燃料費調整金額」によって全体の金額が変わってしまいます。

そして一番重要なポイントは、この「燃料費調整金額」が「従量電灯プラン」では上限金額が国により決められているのに対し、「自由料金プラン」では上限金額を電力会社が上限なく自由に設定できるため、「従量電灯プラン」に比べて「自由料金プラン」の「燃料費調整金額」が高くなるリスクがあることです。


この「燃料費調整金額」とは燃料相場によって変動するため、昨今のエネルギー価格の高騰を受けて「燃料調整金額」は上がり続けています。

注)電気料金算出には「再生可能エネルギー発電促進賦課金」も加算されますが本稿では割愛しています。

大手電力会社が相次いで規制料金における「燃料調整金額」の値上げを国に申請しており、今後も電気料金は上がる可能性があります
※現在、政府による電気・ガス料金の激変緩和措置により請求される電気料金は抑えられています。

【当面は料金プランの変更に注意】
電気料金の自由化にともない、従来の規制料金に比べて1割以上安価なプランが登場するなど、電気の使用量によっては自由料金プランに変えることで電気代が安くなるケースもありました。

昼間に比べて夜間の電力料金単価が安く設定されるプランなどは、日中に家を空けている方にはお得であるなど、メリットが多いのも事実です。

燃料相場が低く推移している時期には「燃料調整金額」も安くなり、全体の電気代も低く抑えられていました。

しかし、昨今の燃料相場を鑑みると、規制料金で契約しているご家庭において、あえて「燃料調整金額」の設定に国の許可が不要な自由料金プランに変更するのはリスクが高いと言えます。

規制料金と自由料金を比べる際には、「燃料調整金額」についても確認することが大切です。

なお、規制料金プランとは従量電灯プランと呼ばれるもので、契約容量によって従量電灯Aや従量電灯B、従量電灯Cの3つのプランに分かれており(例外もあります)、主に家庭向けではAプランとBプラン、商店や飲食店など契約容量が大きい場合にCプランが対象となっています。

電気料金の検針票などに従量電灯AやBの記載があれば、規制料金プランで契約していることがわかります。

また、電気料金とガス料金をまとめて契約するセット契約についても北海道電力が措置命令を発出されていますが、当サイト内記事「電気・ガスのセット契約は本当にお得か!? 7月31日付」にて解説していますのでご参考にしてください。



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