《水のトラブル》Web広告に消費者庁が注意喚起

2023年8月25日

トイレ詰まりなど水のトラブルに対する修理サービスで、ウェブサイトに「水漏れ・つまり修理 関東最安値 220 円(税込)~」などと低額な料金を表示しておきながら、実際には数十万円もの高額料金が請求される被害が拡大しているとして、消費者庁およびさいたま市が合同で調査した結果に基づき、消費者庁は24日、「水の関東24」と称するサイトを運営するRS設備(代表:留 志賢)について公表するとともに、類似の事案も多数確認されていることから注意喚起しました。

水回りトラブル対応をうたう悪質業者は、インターネット上で《数百円~》と低価格で修理対応するような印象を与えて集客し、修理を依頼してきた消費者宅へ作業員を送ります。


訪問してきた作業員は修理費用について明確な話をしないまま、次々とポンプやドリルなどを持ち込んで大掛かりな工事を進めていき、最終的には数万~数十万円もの料金を請求する、というのが一般的な手口です。

このような悪質商法はトイレのつまりといった緊急性の高いトラブルにつけ込んで法外な料金を請求するのが特徴で、「鍵のトラブル」や「ハチの駆除」などでも同様のぼったくり商法が確認されています。

いずれの商法でも、すでに業者が作業を進めてしまっており、今さら料金が高いとは言いづらかったり、作業を途中で辞められても困る、といった消費者心理から、しぶしぶ高額な料金を支払ってしまうケースがあるようです。

【悪質商法がなくならない理由】
インターネット上には低価格を売りにした、水のトラブル対応をうたったWebサイトがいくつもあり、どれも安く修理してもらえそうな印象を受けます。

しかし、そうしたサイトの中には悪質業者が一定数、紛れ込んでおり、サイト運営業者と修理業者は当然に結託しているほか、同一の業者が別の名称でいくつかWebサイトを運営しているケースもあります。

今回、消費者庁が公表した「水の関東 24」については既にサイトが閉鎖されていますが、別のサイトを立ち上げて集客している恐れがあります。


インターネット上には「水の〇〇」や「アクア〇〇」、「ウォーター〇〇」といった様々なサイトが存在しますが、それらすべてを一つのコールセンター受付けていたり、修理業者が1社の場合、もしくは複数の提携業者に振り分けているケースもあるようです。

このため、ひとつのサイトに対する悪い口コミが増えたり、行政指導を受けるなどしても、そのサイトを閉鎖して新たに別のサイトを立ち上げて営業を続けていくため、なかなか被害が減ることはありません。


【だまされないポイント】
追加工事で高額な料金を支払った場合や、追加工事の契約書を交わしてしまった場合など、クーリング・オフ制度を用いて返金交渉を行うことも考えられますが、上述のように窓口であるWebサイトが閉鎖され連絡が取れなくなったり、修理業者が名刺や連絡先を伝えていない場合では、交渉自体が難しくなります。

被害に遭わないためのポイントとしては、修理業者が訪問してきた際に以下の点をしっかり確認する必要があります。

1)電話口で見積価格を確認する
悪質業者のコールセンターでは見積価格の話をせず、すぐに作業員の訪問を手配する事が多く、一見、素早い対応で頼もしく感じますが、大事なのは価格を確認することです。

必ず電話口で「費用はいくらになりますか」と確認し、およその見積価格を確認してください。
もし「見てみないとわからない」、「作業員が見積します」などと返答する場合は、依頼しない方が賢明です。

➡ 見積額を言わない業者には依頼しない

2)作業前に見積りをしてもらう
電話口で見積額を確認していたとしても、作業に入る前に見積書を作成してもらう必要があります。

作業が始まってしまうと、途中でやめてもらうことが難しくなりますので、必ず作業前に見積書を作成してもらい、大まかな費用を文書で受け取ってください。

中には口頭で見積額を伝える業者もいると思いますが、しっかり文書を出してもらう事が大切です。

➡ 見積書を作成しない業者は信頼できません

3)住所、会社名を確認する
Webサイトには低価格や安心サービスといった良い言葉ばかりが並んでいますが、運営事業者の社名や住所、電話番号がしっかり掲載されているか確認してください。

こうした情報が載っていない場合は、連絡しない方が無難です。

また、訪問してきた修理業者についても、まず名刺を確認し、見積書に社名や住所、電話番号が記載されているか必ず確認してください。

➡ 名刺を出さない場合や、見積書が不完全な場合はそれらがハッキリしないと不安だと伝えた上で作業をお断りしてください。

4)追加工事、大掛かりな修理は断る
作業をしながら「パッキンだけでなく配管も問題がある」、「便器を取り外さないといけない」、「便器が老朽化してて交換の必要がある」、「水漏れがあるようだ」、「原状回復工事も費用がかかる」などと追加工事が必要なことを言ってきた場合、鵜呑みにしてお願いするのでなく、いったん考えますと断るようにしてください。

➡ 大掛かりな工事の場合、他の業者にも相見積もりをお願いして価格を比較する


【注意すべきポイント】
1)遅い時間を指定する業者は注意
午前中やお昼時などに業者を呼んだ場合、納得がいかなければ他の業者を検討する余裕もあるかもしれませんが、夜の遅い時間や深夜帯では他の業者を呼ぶことが難しくなります。

そのため、わざと夜遅くに訪問時間を指定してくる業者もあるため注意が必要です。

2)悪質業者に注意!の記載が優良業者とは限らない
Webサイトには「悪質業者にご注意ください!」などと自分たちは優良業者ですよと言わんばかりの表示をしているケースが散見されますが、だまされてはいけません。

上述の「水の関東24」のサイトにおいても、「悪徳工事業者にご注意ください!!関東の水道業者の中には、修繕を依頼したお客様に対し、依頼した以外の作業を行い、わけの分からない高額な請求をする業者がございます」「私たちは業界の健全化を目指し、そういった悪徳水道業者の排除に努めて参ります」などと記載されていました。

どの口が、といった感じですがこれが現実です。

3)検索上位サイトが優良サイトとは限らない
トイレのつまりなど、困って業者を探す際には、多くの方がインターネットで検索して業者を探すと思われますが、その検索ワード「トイレつまり」や「水漏れ」などで上位に表示されるサイトが、悪質業者のケースもあるため注意が必要です。

これは悪質業者が専門業者に依頼して検索上位に自社サービスが表示されるようSEO対策を行うためで、相当のお金をつぎ込んでも高額請求で儲かるため積極的に利用しているようです。

4)マグネットチラシも注意
郵便ポストに頻繁に投函されているマグネットチラシは、冷蔵庫などに貼っておけば、いざという時にすぐ電話できるので安心です。

しかし、マグネットチラシの業者の中にも悪質業者は紛れ込んでいるため、十分に注意する必要があります。

【水道局指定工事店を検索しましょう】
Webサイトで水道工事業者を検索するのであれば、市役所のホームページなどに掲載されている「水道局指定工事店」を探して依頼することで、悪質業者にだまされるリスクは低くなります。
※ 正式名称:「指定給水装置工事事業者(上水道)」
       「指定排水装置工事事業者(下水道)」

この「水道局指定工事店」は各自治体によって担当地域の水道工事が許可されており、適正な水道工事が行える業者で、市区町村が事業者名を公表しています。

「水道局指定工事店」のリストの中から、ご自宅に近い業者や馴染みの業者があれば、そこに依頼することをお薦めします。

インターネット上で低価格を売りにしているすべての業者が悪質だとは限りませんが、後々のトラブルリスクを考えると、地元の安心できる業者を探してお願いするのが賢明です。

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