2023年5月8日
医療費や保険料が戻る、などとウソの話でお金をだまし取る還付金詐欺では、「累積医療費」や「累積保険料」といったもっともらしい用語が頻繁に使われます。
《累積》という言葉を聞くと、何か医療費や保険料で戻ってくるお金が累積してるのかな?と連想してしまうかもしれませんが、そもそも《累積医療費》などありません。
我が国の医療保険制度においては、国民健康保険や後期高齢者医療制度などがありますが《累積医療費》などというものは、いずれの制度にも存在しないのです。
医療費が高額になった際に定められた自己負担上限額の超過分を支給する制度(高額療養費制度)はありますが、これについても《累積》という言葉は使われませんし、送付される申請書によって手続きされるもので、役所等から電話で案内されるようなことはありません。
《累積医療費》や《累積保険料》というのは詐欺グループのみが使用する言葉で、《累積》と聞いたら詐欺用語だと思って決して相手にしてはいけません。
【「封筒を送った」もウソ】
還付金詐欺ではこの《累積》した医療費や保険料が戻ります、というアポ電が多数確認されていますが、よく使われる詐欺トークに「薄青色※の封筒を送ったが届いていますか?」や「還付金の手続書類の封筒を送ったが返事がありません」などと封筒を送ったと告げるケースがあります。※封筒については「茶封筒」や「緑色の封筒」、「ブルーの封筒」などと色を変えたパターンがあります
実際にはそのような封筒は送られていないものの、役所や金融機関から封筒を確認していないのか?と言われると、こちらに落ち度があったのかと思ってしまい、相手のペースに乗せられてしまう恐れがあります。
以下のような電話がかかって来た場合は100%詐欺のアポ電ですので注意してください。
〔事例1〕
「累積医療費の還付金があります」
「今年1月に累積医療費変換通知書の茶封筒を送ったが回答がない」
「返還金は20,336円です」
〔事例2〕
「累積医療費に関する書類の締め切りが過ぎています」
「医療費の申請書を去年の12月に送っているのですが、申請期限が4月末になっています」
「期限は過ぎていますが本日中であればATMで手続きできます」
〔事例3〕
「累積医療費の還付がありますが、書類は届いていないですか?」
「還付できる銀行が限られますが、どちらの銀行をお使いですか?」
「預金残高はいくらありますか?」
〔事例4〕
「累積医療費の還付金があります」
「通知を送りましたがご覧になりましたか?」
「11時半までにATMへ行ってコールセンターへ電話してください」
【ATMで還付金は受け取れない】
いずれのケースでも犯人はATMへ行って手続きするよう指示してきます。
しかしATMを操作して還付金が受け取れるはずもなく、犯人の言う通りにATMを操作してしまうと、犯人グループの管理する口座へ預貯金残高を送金してしまい、多額のお金を失う事になります。
還付金詐欺のキーワードは以下の通りです。
このような電話がかかってきたら無視して電話を切ってください。
医療費や保険料の還付には書類による手続きが必要で、そう簡単に受け取れるものではありません。
役所から期限が過ぎていますよ、などと親切に電話で連絡が来ることもありませんし、ATMや銀行の窓口で手続きする事も絶対にありません。