【要警戒】SNS投稿・マッチングアプリでの投資勧誘

2023年4月3日

SNSやマッチングアプリで知り合った人から暗号資産などの金融資産に関する投資を持ち掛けられ、資金をだまし取られる振り込み詐欺が多発しています。

これは投資詐欺の1つで、主に「仮想通貨(暗号資産)」や「外国為替取引(FXなど)」で現金を運用すれば大きな利益(リターン)が得られる、などと勧誘して偽の運用口座等に送金させるもので、勧誘者は「最近はFXの運用益で月に50万円以上稼いでいる」と嘘を言ったり、年利40%以上の虚偽データを示してだまそうとしてきます。

【高額な被害も】
投資詐欺の特徴として被害が高額になる傾向があります。
詐欺犯は最初、少額の投資をさせて高リターンの実績を作って相手を信用させ、徐々に投資額を釣り上げていくため、いつの間にか投資額が数百万円から数千万円、中には億を超えてしまう事もあります。

佐賀県で今年2月から3月にかけて投資詐欺に遭った女性は、SNSで知り合った相手から「外国為替取引で収入を得ている」などと投資を持ち掛けられ、相手の指定する口座へ投資資金や送金保証名目で複数回にわたって計4,864万円を送金してしまいました。

また、北海道内でも今年1月から3月にかけ、恵庭市の女性がSNSで知り合った相手とメッセージのやりとりを行う中で、「外国為替の取引をやったら成功した」、「やり方を教えるからやらないか」などと外国為替取引への投資を勧められ、計17回にわたり約1憶2千万円を指定された口座へ送金してしまいました。

この他、滋賀県でも長浜市の男性が昨年10月にSNSで知り合った相手から仮想通貨への投資話を持ち掛けられ、12月までに計7回にわたって3,200万円を振り込む被害に遭っています。

いずれのケースでもSNSでしばらくやり取りを行う中で、詐欺犯は被害者からの信用を得ながら徐々に投資の勧誘を行っているようです。

とくにマッチングアプリが入り口となって、交際相手を探す目的でSNSを利用している場合など、つい相手の話すことを妄信しがちなので注意が必要です。

【詐欺犯に狙われるSNS】
こうした投資詐欺はSNSが入り口となることが多く、詐欺犯は公開されているSNSの中からターゲットを選んで接触してきます。

SNSで発信される方は少なからず他人に見てもらえる事について悪い気はしないもので、話しかけてきてくれれば好意的な印象を持つことも多いと思います。

写真・動画メインのSNSでは自慢の映え写真をアップすることもあり、「とてもいいセンスですね」「私も大好きです」などと投稿されれば嬉しくなるものです。

しかしながら、こちらのSNS情報を把握した上で、話を合わせながら近づいてくる人もいる、という事実を頭の隅に置いておく必要があります。

沖縄県で今年1月、約420万円をだまし取られた被害女性もSNSを利用しており、女性の投稿に対してコメントしてくれた相手とのSNSの中で仮想通貨に関する投資話が出てきました。

北海道帯広市ではSNSを通じて寄付を呼びかけ、その資金を投資で稼ぐよう勧誘するようなケースも確認されており、詐欺犯は「慈善事業で施設などにお金を寄付している」、「あなたも投資でお金を稼いで寄付をしませんか」などと話して現金を振り込ませています。

このようにSNSは詐欺の呼び水になってしまう事があるのです。

【仮想通貨(暗号資産)に注意】
暗号資産(仮想通貨)については投機的側面が大きく、暗号資産(仮想通貨)で大儲けしたという話を聞くこともありますが、実際には誰でも簡単に大きな利益が得られるものではありません。

投資の世界で《絶対に儲かる》という事は誰にもわからないことで、投資商品そのもののリスクのほか、運用手数料や為替リスクなどを理解していない限り、手を出すのは非常に危険です。

「スマートフォンからSNSを通じ、現金を仮想通貨に換金して運用すれば利益がでる」
「運用した仮想通貨で利益が出たので、お金を振込めば運用した利益金がもらえる」・・・

このように、いとも簡単に利益が出るような話をする人がいたら、まずは詐欺を疑ってください。

なお、SNSを悪用した投資詐欺の手口の1つに、投資の勉強会のようなグループへ招待され、話が進むと個別のアカウントに誘い出され、虚偽の投資商品を勧められるケースがあります。

LINEを使った投資セミナー詐欺の場合、ある日突然、LINEの投資関連グループに招待され、先生と称する投資のプロとそのアシスタント、そしてサクラの人達で会話が始まり、その日の為替情報などを織り交ぜながら、投資初心者は大歓迎といった雰囲気で投資関連の情報がやり取りされます。

実際には単にその日の銘柄について「〇〇が〇〇円上がったけど、△△は△△円も落ちた」、「FRBが〇〇を発表した」、「株は上がるときは上がるが、下がるときは下がるのでリスクがあります」といった感じの誰でもわかる稚拙な内容がほとんどですが、ギャン理論やらローソク足(投資の世界では初歩知識)といった専門用語を持ち出し、投資未経験者にとっては何かすごそうな、専門家風の雰囲気を醸し出しているため、知らずにグループの会話に参加してしまうと、「もっと知りたければこちらへ」と別のトークルームや詐欺グループのアカウントへ誘われ、投資詐欺を仕掛けられることになります。

最終的には暗号資産(仮想通貨)がらみの話が出て、これなら絶対に儲かる的な話になっていくので十分に注意してください。



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