「一人暮らしですか」民生委員を装ったアポ電に注意

2022年12月21日

福島県警は20日、県内各地で民生委員を装う者からの電話が複数確認されているとして注意喚起しました。

電話の内容は「一人暮らしですか?正月に家族は帰ってきますか?」などというもので、福島県に限らず家族構成や資産状況を聞き出すアポ電が全国で確認されていますので、十分に注意してください。

こうした電話は特殊詐欺のアポ電(アポイント電話/犯罪予兆電話)と呼ばれるもので、主に70代~80代の高齢者宅に狙いを定め、息子など家族の名前を聞き出してオレオレ詐欺に利用したり、預金残高や自宅に現金がいくら置いてあるか、といった資産状況を確認し、詐欺でいくらまで要求できるかを判断しています。

とくに高齢者の一人暮らしであれば、身近に相談する家族もいないので騙しやすいと考えるでしょうし、資産が多ければ格好のターゲットにされてしまいます。

詐欺犯は、民生委員を装って「生活で困ったことはありませんか?」などと優しく問いかけながら、巧みに「独居世帯かどうか」や「資産状況」、 「家族構成」、「介護保険受給の有無」 などを質問してきますが、こうした質問が出た際には詐欺を疑って、相手の素性をしっかり確認する必要があります。

アポ電をかける詐欺犯は、以下の情報を欲しがっています。


・あなたが一人暮らしか


・あなたがいくら持ってるか(預貯金、タンス預金の額)



年末にかけて特殊詐欺の被害が増加する傾向にあるので十分な注意が必要です。

【行政機関だけではないアポ電】

こうしたアポ電は民生委員や行政職員をかたるケースのほか、国勢調査のアンケートを装う事例や、NHKや民法テレビ局、または新聞社といったマスメディアの取材を装ったケースもあり、「かたり調査」とも呼ばれています。

昨今の高齢ドライバーによる交通事故といったトレンドに載せて「車を運転していますか」「普段の買い物はどうしているか」「家族と離れて暮らしているか」といった質問をするなど、時事ネタを織り交ぜるなど手口は巧妙化しています。


以下はこれまで確認されたアポ電事例です。


〇 国勢調査員・区役所戸籍課を名乗るケース

「所得は500万より上ですか」

「確定申告はきちんと済ませていますか。預貯金は十分にありますか」
「家族構成を教えて下さい。お一人暮らしですか。近くにお子様や親せきはお住まいですか」
「ご家族と最近連絡を取れていますか。どのくらいの頻度で連絡していますか」

「何か困っていることはありませんか。身近に相談できる人はちゃんといますか」


警察官や消防署員を名乗るケース

「災害時にすぐに救助できるように、一人暮らしか確認をしている」

「お住まいのエリアで強盗が多発しています。現金など自宅に置いていませんか」
「緊急連絡先は登録されていますか。息子さんの勤務先や家族構成についても教えてください」
「サイバー犯罪の犯人を逮捕しましたが、あなたの預金情報も漏れていたようです。預金が危ないですので、一度下ろした方がいいです」
「下ろしたお金に偽札が交じっている可能性があります。巡回中の警察官が確認に伺います」

実際に、行政が作成した要介助者の高齢者名簿が消防庁に提供される事がありますが、消防署員から直接確認の電話が入ることはありません。

中にはこうした情報が悪用されることもあり、先月には東京消防庁の消防士が介助の必要な高齢者名簿を複製して特殊詐欺に利用する事件も発覚しています。


市や県の介護施設紹介センターを名乗るケース
「資産やご家族の年収など、ポイントが高くなれば有料施設へ優先してご紹介できます」
「無料見学会などの参加条件として、資産500万円以上が必要ですが大丈夫ですか」
「息子さんの勤務先と部署名、連絡先も確認しています」


とくに介護施設の順番待ちの方には、登録手続きに必要と思わせ、資産や家族構成を聞いてきます。

今年、急激に増加した《老人ホームの名義貸し》による架空請求詐欺に利用される恐れもあります。


NHK職員を名乗るケース
「高齢者の番組を制作したいので質問に答えてほしい」

「NHK静岡の職員です。1人暮らしの高齢者にアンケートをしています。」

「預貯金は500万円以下ですか?500万円以上ですか?」


などと話し、独居世帯かどうかや資産状況などを詳しく聞いてきます。


※ 偽NHK職員が訪問してくることも

今年2月には、東京都北区の女性宅にNHKを名乗る2人組の男が訪問し、デジタル放送への変更に3,850円必要とウソの説明をした事案が総務省関東総合通信局により確認されています。



高齢ドライバーの免許返納に便乗するケース

「高齢者講習のお知らせハガキは届いていますか」
「運転免許証の自主返納制度についてご存知ですか」

「免許返納還付金の期限が2年以内ということをご存知ですか」

「どのようなときに運転免許証を返納しようと思いますか」

「運転を代わってくれる家族はお近くにいますか」



【詐欺だけでなく強盗のリスクも】

このようなアポ電では、資産状況や家族構成が詐欺犯に知られてしまい、詐欺被害の危険性が増してしまいます。


そして詐欺の手口も、キャッシュカードを盗み取る受け子(現金やカードの回収員)が自宅へやって来るケースが激増しています。


さらに最近では、被害者宅に多額の現金があると判明した時点で、手間のかかる詐欺よりも、直接、盗みに入った方が効率的と短絡的に考え、窃盗や強盗に及ぶ犯罪者も増えてきました。

犯罪者と相対する事で、金銭だけでなく命の危険性も増していく事を考えると、「かたり調査」をはじめとしたアポ電=犯罪予兆電話には十分に注意する必要があります。

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