暗号資産交換業者「FTX Japan」へ行政処分

2022年11月11日

関東財務局は10日、FTX Japan株式会社(本社:東京都千代田区)に対し、資金決済に関する法律に基づき1ヶ月間の業務停止命令の発出を含む行政処分を行いました。

FTX Japan社は2017年に暗号資産交換事業者として第一号登録(関東財務局長第00002号)を受けた老舗の1つで、ビットコインやイーサリアム等、10種類以上の暗号資産を取り扱っています。

しかし、親会社であるFTX Trading Limitedの信用不安報道や、FTX Japan社が証拠金の出金を停止している状況を受け、関東財務局は投資者の財産保護(資産の海外流出防止など)を目的として、新たに預託を受けるといった業務を停止することや、既に預託を受けた資産の保全に努めた上で、11月16日までに業務改善計画書を提出するよう命令しています。

   ― 出金停止のツイート(2022年11月9日付 Twitter )より ―


【保護対象外の暗号資産】

暗号資産市場は今年に入って全体的に下落傾向にあり、昨年11月に価格が760万円近くまで上昇していた「ビットコイン」は今年6月に230万円近くまで下落、その後300万円台まで回復したものの、今回のFTX危機により11月10日には230万円台まで再び下落、同じくイーサリアムも急激に暴落するなど、市場全体に影響が波及しています。

こうした状況に対して、《暗号資産のリーマンショック》と指摘する声もある中、心配なのは暗号資産業者が破綻した場合の投資資金の補償です。

一般の預金※1(銀行や信用金庫等の普通預金、定期預金等)の場合、預金保険制度により金融機関が破綻した場合でも1,000万円まで(1金融機関・1人当たり)保護されるほか、決済用預金は全額保護されるなど、預金者を保護する制度があります。
※1 外貨預金、国債、社債、MMFなど、また外国銀行の支店や国内銀行の海外支店は対象外

また証券会社が破綻した場合も、投資者保護基金が整備されているため投資者1人当たり1,000万円まで補償※2されています。
※2 FX(外国為替証拠金取引)など有価証券関連業務に含まれない取引は対象外

しかしながら、暗号資産は法定通貨ではないため、国によるセーフティネットが整備されておらず、仮に暗号資産を預けた交換業者が破綻した場合、利用者は何の補償も受けられない可能性があります。

そもそも法定通貨ではないということは、その価値が国によって保証されているわけでもなく、あくまで取引の需給関係によって価格が決まる「投機商品」としての性格を帯びた、非常にリスクの高い取引であることを認識すべきでしょう。

現在、暗号通貨を取り扱う事業者に対しては各財務局への登録が義務付けられており、交換業者が倒産した場合、預けた資産に対する補償はないものの、利用者には暗号資産返還請求権の優先弁済権が認められています。

そのため、暗号資産を利用する場合には最低限、金融庁・財務局へ登録された交換業者を選ぶことと、間違っても無登録の暗号資産交換業者を利用しないことが重要です。

インターネット上には無登録の海外事業者による日本国内向けの暗号資産取引所が散見されますが、投資した後に連絡が取れなくなったり、 取引希望時(売りたい時)に取り引きできない(売れない)といったトラブルや詐欺のリスクが非常に高いため絶対に利用してはいけません。

このような怪しげな交換業者を推奨するサクラサイトも数多く、個人ブログやYouTubeなどを駆使して「〇〇の魅力を解説」「〇〇の登録方法」「〇〇は怪しいのか」などと交換業者について解説し、結論として安全で収益性の高い取引が可能だと主張しています。

しかし、こうしたWebサイトは交換業者が自ら作成していたり、アフィリエイト収入を狙ったものであったりと、いずれも利用者のためを思って作られたものではありません。

暗号資産は投機的要素が強いだけでなく、いざという時の補償も十分でない、リスクの高い取引であるという点に十分留意すべきでしょう。

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