2022年10月26日
新型コロナウイルス感染症の医療用抗原検査キットについて、10月17日、18日に3製品が新たに厚生労働省によって承認され、薬局での販売が認められた「体外診断用医薬品」は全7種類となりました。
抗原検査はPCR検査と同じく「現在感染しているかどうか」を調べるものですが、セルフチェックできる検査キットとして、薬局等では「一般用」と「研究用」の2種類の抗原検査キットが販売されています。
この「一般用」とは国が認めた「第1類医薬品※」で、「体外診断用医薬品」または「一般用医薬品」の表示が許された検査薬です。
※日常生活に影響が出るほどの健康被害、副作用のリスクがあり使用には注意を要する
これに対して「研究用」と称する抗原検査キットは、薬局やインターネット上で販売されていますが、あくまで研究のための製品であり、国の承認も得られていないため検査機能は保証されていません。
この「研究用」と称する抗原検査キットが比較的安価でドラッグストア店頭やネット通販において販売されているため、購入する消費者が後を絶ちません。
しかし、「研究用」を購入したところ期待する内容ではなかったり、業者と連絡が取れなくなる、といった問題も起きており、国や自治体は「研究用」ではなく「一般用」を選んで購入するよう呼び掛けています。
【抗原検査キットは《一般用》を】
厚生労働省は店頭やインターネットで購入できる「一般用抗原検査キット」の商品情報をWebサイトで公開しています。
➡ 新型コロナウイルス感染症の一般用抗原検査キット(OTC)の承認情報(厚生労働省)
抗原検査キットは感染の有無を《診断》するものではありませんが、検査結果が「陽性」であれば速やかに医療機関を受診し、早期に診断を確定することができて安心です。
鼻腔ぬぐいによる検体採取の他、唾液で検査できる製品も登場していますので、症状が気になる場合などは国が認めた検査薬によるセルフチェックがお勧めです。
【検査キットはあくまで目安】
「研究用」と称する検査キットに比べ、「一般用」の検査キットについては、その検査機能が保証されているものの、こうした検査キットはあくまでセルフチェック用であって、感染の有無を診断するものではありません。
検査結果が陽性であれば医療機関への受診して診断を受ける必要がありますし、検査結果が陰性であっても症状があれば医療機関を受診するべきでしょう。
たとえ国に承認された検査キットであっても感染の有無を診断することはできないため、この点を理解せずに「検査結果は問題なかったから感染はしていない」などと勝手な解釈をしてしまうと、万が一感染していた場合、ご自身の症状が進んでしまったり、周囲に感染を拡げてしまう恐れがあります。
新型コロナウイルスの新規感染者数は依然として数千人規模で推移しているほか、この10月からは全国旅行支援(全国旅行割)が始まるなど、冬に向けて再び感染拡大のリスクが高まっていますが、10月21日よりワクチン接種の4回目と5回目の間隔が3ヵ月に短縮されるなど、重傷者や死亡者を減らす取り組みも強化されています。
正しい知識に基づいて感染対策を行いながら、ワクチン接種やセルフチェックを活用し、感染拡大を防ぐ努力が私たちに求められています。