NTTからの連絡に見せかけ勧誘「ノーバイル」に注意
2021.07.02


総務省は7月1日、MVNO事業等を行う「ゆーの株式会社(YUNO Co., Ltd.)」に対し、電気通信事業法違反による指導を行ったと発表しました。

ゆーの社は今年2月より、自社で移動体通信網設備を持たずに携帯電話会社から通信回線を借り受け、自社ブランドで格安SIMやモバイルルーターといった通信サービスを提供するMVNO事業に参入し、「ノーモバイル」と称するモバイルルーターの勧誘を行っていました。

        ― ゆーの株式会社 Webサイトより ―



「ノーモバイル」は自宅の電源コンセントに差し込むだけで通信サービスが利用できる持ち運び可能なルーターで、自宅のみならず旅行先など外出時にも利用できるとしています。

ゆーの社は「ノーモバイル」の勧誘にあたって、あたかもNTTのコールセンターであるような電話をかけ、「ノーモバイル」へ切り替えれば利用料金が安くなる趣旨の話をして、すでに契約している光回線を解約してアナログ回線へ戻させた上で、新たに「ノーモバイル」の契約を締結していました。

具体的な手口は、電話でインターネットの利用状況を尋ね、あまり利用していない事を確認した上で、今の料金プランでは無駄に高いプランであるから適正なプランに替えませんか?といった流れで自社サービスの契約へ結び付けようとするものです。


【総務省が公表した不適切な勧誘事例】

(第27条の2第2号 勧誘である旨等を告げずに勧誘)
 ・「もしもし、私 NTT の固定電話の件でご連絡をしておりますコールセンターゆーのの○○
  と申します。お世話になっております。本日、ご利用状況の確認ですが、○○様がお使い
  のお電話にインターネットの料金が含まれておりますが、まだパソコンなどインターネット
  はご利用でしょうか。」

 ・「こちらNTTの固定電話の件でご連絡しました、コールセンターゆーのの○○と申しまし
  て、本日ご利用状況の確認なんですけども、今あの、お客様がお使いの光回線にインターネ
  ットの料金が含まれてたんですけれども、ご自宅でインターネットのご利用ってされてます
  か?」

(第27条の2第1号 不実告知等)
 ・「○○様のようにあんまり動画、1ヶ月に3時間も見ないくらいの利用頻度でしたら、皆様
  ですね、毎月 3,600 円の適正価格でご利用できるようになっております。」

 ・「ご契約当初の一番古いプランのままでご利用されてますので、なので、動画などインター
  ネットが使いたい放題のサービスしか昔はなかったんですね。ただあの、今回弊社で、この
  動画を見ない方向けのノーモバイルというサービスが始まりましたので、動画を見ないお客
  様はお切り替えが必要なんですね。」

 ・「もうインターネットはそんなに使い放題でなくても大丈夫ということでしたら、インター
  ネット使い放題のプランではなくて、少し小さい方のプランに変更させていただいてもよろ
  しいでしょうか。」


(第26条第1項 提供条件の説明義務違反)
 ・「3年未満でやめられた場合のみ、違約金3万円かかりますので、ご注意くださいませ」

 ※本件サービスについては、利用者に対して送付された契約書面において「本サービスの基本
  データ通信容量は 3GB/月です。基本データ通信量を超えた場合は従量課金接続となり、最
  大データ通信容量は 7GB/月です。」と記載されているにもかかわらず、従量制料金に関す
  る説明を行っていなかった。

 ※本件サービスについては、利用者に対して送付された契約書面において「契約期間は本サー
  ビス利用開始日を含む月を1か月目として、37 か月間とします。・・・更新付きに解約の申
  し出がない場合、さらに更新月を含め 24 か月間の契約として自動更新を繰り返します。」
  と記載されているにもかかわらず、自動更新契約に関する説明を行っていなかった。


【NTTを名乗る回線契約の話には注意】
悪質な回線事業者の狙いは、現在の電話・インターネット回線契約を解約して自社サービスへ契約させようとするもので、あたかも現在の回線契約のプラン変更に過ぎないように説明し、この変更により回線利用料も安くなると思わせて契約を締結しています。

悪質業者は、いきなり勧誘すると電話を切られてしまう事を恐れ、「NTTの固定電話の件で」や「NTT・・・コールセンター・・」といった言葉を駆使して、あたかもNTTから何かの確認で連絡が来たと思わせるトークを多用します。

電話やインターネット回線サービスの勧誘を受けた場合、パンフレットや見積書を送ってもらうよう伝え、サービス内容や料金をしっかり確認するようにしてください。

書類を送ることを渋るような業者は、そもそも信用できません。
また、「ご説明にお伺いします」などと言われても断り、自宅へ訪問させないよう注意が必要です。

まずは資料を見てから考える、と主張しましょう。

書類が届いたら、解約した場合の違約金や自動更新といった消費者に不利な条項が記載されていないか確認するとともに、現在契約しているサービスの利用状況と金額をしっかり確認し、本当に安くなるのかシミュレーションする必要があります。

決して勧誘を受けたその場で契約したり、十分に比較検討しない段階で契約しないよう注意が必要です。

できれば家族や知人などにも見てもらい、インターネットで情報収集するなど、とくに慌てて契約する理由はありませんので、じっくり時間をかけて検討し、よくわからなければ契約しないことです。

モバイル市場の競争促進を目的に、電気通信事業法が一部改正(令和元年)されたのを機に、固定電話や携帯電話等の電気通信サービス事業に参入する企業・団体が爆発的に増えています。

総務省の発表では今年4月末の時点で、電気通信事業者の数は全国で47,178社に上る他、届出はあったものの連絡が取れない事業者も17,169社あり、中には悪質な手口で勧誘を行う事業者も紛れ込んでいます。

事業者側からすれば、法改正により金儲けのチャンスが巡ってきた、との認識なのかもしれませんが、私たち消費者はこうした事業者の口車に乗せられないよう、しっかりとした知識を持つ必要があります。

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